「今どきの若者はダメ」なのか?

「今どきの若者はダメだ」という言説は数千年前から言われているようですが、この業界にいると「今どきの保護者はダメだ」「今どきの子どもは〇〇がダメだ」という声は特に良く聞きますね。

さて、では本当に今どきの若者はダメなのでしょうか?

「今どきの若者はダメ」か統計データで考える

ここに、殺害事件の被害者数の統計データがあります。

<引用:少年犯罪データベース 少年による殺人統計>

1951年と1961年の448人をピークに、年々減少していき、本データの最新2006年時点では73人とおよそ1/6に減っています。

 

総人口そのものも変化していますので、人口10万人あたりで見ても、1951年には10万人あたり2.55人が被害にあっていましたが、2006年では10万人あたり0.59人に1/4にまで減少しています。

 

つまり、今どきの人は昔と比べて圧倒的に他人を殺さなくなった、と言えます。

 

「最近は物騒なニュースが多い」と直感的には感じてしまいますが、数十年前はそのような事件が無かった訳ではないのです。むしろ、今では極悪非道な事件と扱われてもおかしくない事がニュースにする価値がないほど日常茶飯事に起こっていたのが一昔前と言えるでしょう。

 

では町を見渡してみていかがでしょうか。

私が幼少期の頃と比べても、道端で痰を吐いたり、立小便をする人はいなくなりましたね。ゴミやたばこのポイ捨ても激減したと思います。「ゴミは川に捨てればいい」が常識の時代だったのです。

 

お店に買い物に行っても、おじぎをしながら「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」といった所作は一昔前と比べればよほどしっかり行っていると感じます。昔の商店ならオヤジさんがくわえタバコで接客してる姿も普通でしたね。

 

中学生や高校生の不登校やひきこもりが問題になっていますが、反面、暴走族やヤンキー(すでに死語ですね)などの他人に危害を加える若者は大幅に減りました。

 

私は街ゆく学生の通学姿を見ても、ファミレスでのアルバイトの若者の接客を見ても、圧倒的に今どきの若者のほうがしっかりしていると感じますし、昔と比べれば今の社会のほうが心地よく、暮らしやすいと感じますが、いかがでしょうか?

 

そして、それはこの数十年で日本の制度や教育が進化・整備され、日本人全体のモラルが向上した成果だと考えます。

 

ご年配の皆様にはぜひ「今どきの若者はしっかりしている。それは私たちが作った制度や行った教育が良かったからだ。」と胸を張って言って欲しいと思います。