音声SNSにジャンルされるインターネットの新サービス「Clubhouse」(クラブハウス)を知っていますか?
インターネットで定番のSNSといえば、日本ではTwitterやInstagramが有名ですね。
そのような中で、音声に特化したSNS、Clubhouseが流行の兆しを見せています。
私も1週間ほど前に招待され体験・利用してみました。
今回は、Clubhouseとは何か?どのような特徴があるのか?Clubhouseは更に流行し、音声SNSとして定着するか?を書いてみます。
目次
Clubhouseとは?
Clubhouseは、音声に特化したSNSです。
- 主催者(管理者)のモデレーター
- 話し手のスピーカー
- 聞き手のオーディエンス
の3つの立場に分かれて会話を楽しむサービスです。
もっとも定番なパターンは「こんなテーマについて話をするよ」とモデレーターがroomを立ち上げて、
モデレーターのファンや、そのテーマについて話を聞きたいオーディエンスが集まり、モデレーターの話を楽しみます。
時には、オーディエンスの中から何名かスピーカーとして引き上げて、複数人で対談・雑談をすることもできます。
聞き手からすれば、大好きな主催者の一人語りを楽しんだり、対談を楽しんだりすることができます。
既存のメディアで言えば、ラジオに近いですね。
ラジオと違うのは、アカウントさえあれば誰でもラジオ発信者になれるのが違いですね。
またClubhouseのもっとも特異な点は「記録が禁止されている」ことです。
アプリの機能に録音機能などはなく、過去の話を聞くことはできません。
また、「ボイスレコーダーなどで録音すること」はもちろん、「聞いた内容をメモすること」も規約上禁止されています。
つまり、「ここだけの話」「ぶっちゃけトーク」を楽しみましょう。といった使い方が想定されています。
アプリ名の通り「クラブハウスの中でひっそり行われる秘密のお話」ということですね。
なぜClubhouseが流行っているのか?
Clubhouseは日本では2021年1月下旬頃から、インターネット界隈で急激に流行の兆しを見せています。
なぜClubhouseは話題になっているのでしょうか?大きく2つ考えられています。
有名人のぶっちゃけトークが聞けるから
- メンタリストDaiGoさん
- 小島陽菜さん
- フワちゃん
- 渡辺直美さん
- きゃりーぱみゅぱみゅさん
- 中田敦彦さん
- 田村淳さん
など、先進的な取り組みをしている有名人が続々参加しています。
そして、「ここだけの話」「ぶっちゃけトーク」が推奨されるClubhouseの為、有名人のぶっちゃけトークが聞けるかも?という期待から、そのような話を聞きたいユーザーが爆増している、という流れです。
招待制のプレミア感があるから
ただし、「大好きなあの有名人のぶっちゃけトークを聞いてみたい!」と思った人も、現在のところ、Clubhouseは誰でも自由に参加(アカウント作成)できる訳ではありません。
すでにClubhouseを始めている既存ユーザーから招待をされないと、参加(アカウント作成)ができない招待制になっています。
既存ユーザーが招待できる人数も無制限ではなく2人までと、限りがあるため、急速な広がりは意図的に抑えられています。
このような招待制が採用されている為、始めて見たいユーザーは「誰か招待してくれないかな」という飢餓感や期待感が高まり、招待されたユーザーは高揚感や優越感を感じます。
「誰かClubhouseに招待してくれない?」という会話そのものが口コミが広がる要因になっていますね。
振り返れば、17年前の日本でmixiが招待制としてスタートしましたね。時代は繰り返すものです(笑)
Clubhouseは音声SNSとして定着するか?
最後に、Clubhouseが更に流行し、音声SNSとして定着するか?について個人的考察です。
Clubhouseの定着は厳しい
結論から言えば、私はClubhouseは「定着は厳しい」と見ています。
現在のところ、「有名人のぶっちゃけトークが聞ける」といったところを柱に話題に上がっていますが、残念ながらそれも長くは続かないと見ています。
有名人のにこるんさんが、「記録禁止」「ここだけの話」というClubhouse内で話した内容を、週刊誌から「記事化する」と言われたとのことです。
参考 藤田ニコル 週刊誌に「イラ。」 クラブハウス発言の記事化「ルール上だめ」Yahooニュース今回は記事化には至らなかったようですが、今後はどうでしょうか。
Clubhouseの規約で「記録禁止」と言われていても、一度インターネットで発信されたものが本当にオフレコというのは現実的には無理でしょう。
結局、既存メディアやYouTubeなどと同じ程度のトーク内容に収束していくと思います。
「ぶっちゃけトーク」の無いClubhouseなら魅力は半減ですから、ユーザーもそこまで増えていかないのではないでしょうか。
デメリットは他にも複数挙げられます。
発信側のデメリット
- ストックにならない
- 直接マネタイズにならない
- オフレコと言いつつ、結局下手なこといえば拡散・炎上しちゃうのは変わらない
「ストックにならない」とは、一度話した内容が再利用されない、ということです。YouTubeなどであれば、一度作成されたコンテンツは1か月後も3年後も再生されます。一度作ったコンテンツが芸能人・クリエーターにとっての資産になります。Clubhouseでのトークはその場で消費・消滅されてしまう為、発信側としては生産性の低い活動になってしまいます。
また、YouTubeであれば、1再生あたり1円程度の広告収入が入りますが、現在のところClubhouseで直接収入を得る方法はありません。
聞き手側のデメリット
- リアルタイムでしか聞けない
- 等速でしか聞けない
「〇日〇時にClubhouseで話します!」と言われても都合を合わせるのが難しい場合もあるでしょう。
これは、前時代のメディアであるテレビ・ラジオと同じ仕組みです。
忙しい現代人に「〇日〇時に待ち構えてスマホの音声を聞き続ける」という習慣が改めて根付くでしょうか?
また、最近のメディアプラットフォームは再生速度可変が基本になってきました。
テレビやYouTubeを、「早見再生」「1.5倍速再生」で見る、といった方も少なくないでしょう。
また、不要そうな前半をスキップして、最後のオチやまとめだけ見る、という方もいるかもしれません。
現代の聞き手は極めて効率的に情報収集しています。
Clubhouseでのトークや対談は、そのような効率的な再生方法とは対極的で、ものすごく冗長に感じます。
忙しい現代人が、スキップもできず、再生速度も変えられないメディアを利用するでしょうか?
結論:黎明期の楽しさはある。次の活用方法は?
発信者側は、せっかくがんばって1時間~2時間話しても、ストックとして残らない。でも、下手なことを言えば炎上するのは変わらない。そのうち「ここだけの話」は無くなる。
受信側は、決まった時間に、等速で、集中して聞いていないと聞けない。YouTubeなら不要な部分が極限までカット編集された映像を、いつでも好きな時に、1.5倍速など効率よく聞けるのに、そんなに効率の悪い情報収集する?
と思うと、「発信側も受信側もそこまで暇じゃない」というのが私の直観です。
現状の使われ方では、定番のSNSとして定着することは厳しいと予想します。
しかし、インターネットサービスは「そんな使い方もあったのか!」と思うような意外な活用方法をユーザー側が見出すことが繰り返されてきました。
新サービスを否定でしか見れなくなったら、私もおじさん認定ですね(笑)
「今ディズニーいる人」roomとか、「アメトーク見ながら雑談」roomとか、思いもよらない使われ方で盛り上がっていくかもしれませんね。