今回は、確率をテーマにした頭の体操を2つ出題します。
「確率」や「期待値」という私の大好きなテーマです。
学生時代から変わらず、数字が好きなんですよね~。
そして、この2つの問題は、似たような問題にもかかわらず、考え方や答えは大きく異なります。
そこが大変面白い問題です。
今回は論理的思考力を鍛える33の思考実験からの出題です。
封筒の問題1-問題-
ある男があなたの前に2つの封筒を差し出しました。
2つの封筒は見た目ではまったう違いがなく、触れてみても見分けはつきません。
男は言いました。
「2つのうちどちらかの封筒をあげましょう。封筒の中には紙が入っており、その紙には数字が書かれています。
1つの封筒に入っている紙は、もう1つの封筒に入っている紙の2倍の数字が書かれています。
描かれている数字の分だけお金を受け取ることができますよ」
あなたはまったく見分けがつかない2つの封筒から1つを選びました。
すると男は言いました。
「そちらでいいですか?
では、その封筒の中身を開いてください。
おや、2万円と書かれていますね。
さて、もう1つの封筒に取り替えてもいいですよ?」
と言われました。
封筒を交換した方が得でしょうか?
「得」というのは、ひっかけや言葉のあやではなく、
2万円よりも期待値が高くなるか?
という意味ですね。
あなたなら、封筒を交換しますか?
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ここで、一度考えてみてください。
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答えは決まりましたか?
===
本当にそちらでいいですか?
==
ファイナルアンサー?
=
では答えにいきましょう。
封筒の問題1-答え-
正解は、「取り替えた方が得」です。
封筒を開いた結果、自分の手元の封筒は2万円と確定しました。
「1つの封筒に入っている紙は、もう1つの封筒に入っている紙の2倍の数字が書かれています。」
と言われているので、もう一方の封筒に書かれている数字は、4万円か1万円、ということになります。
「2倍か半分なんだから、期待値は一緒じゃない?」と思いがちですが、期待値は異なります。
もう一方の封筒の期待値は、(4万+1万)÷2=2万5千円です。
・交換しない場合→確実に2万円
・交換した場合→4万円の場合と1万円の場合がある。平均すれば2万5千円。
となりますので、「交換した方が得」と言えるのです。
封筒の問題2-問題-
ある男があなたの前に2つの封筒を差し出しました。
2つの封筒は見た目ではまったう違いがなく、触れてみても見分けはつきません。
男は言いました。
「2つのうちどちらかの封筒をあげましょう。封筒の中には紙が入っており、その紙には数字が書かれています。
1つの封筒に入っている紙は、もう1つの封筒に入っている紙の2倍の数字が書かれています。
描かれている数字の分だけお金を受け取ることができますよ」
あなたはまったく見分けがつかない2つの封筒から1つを選びました。
すると男は言いました。
「そちらでいいですか?
もう1つの封筒に取り替えてもいいですよ?」
と言われました。
封筒を交換した方が得でしょうか?
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封筒の問題1では、自分が選んだ封筒が2万円と分かってから決定・交換を迫られました。
こちらの問題では、自分の選んだ封筒は開封しておらず、いくらか分かっていない状態で、決定・交換を迫られています。
そこが封筒の問題1との唯一の違いです。
さて、封筒を交換した方が得でしょうか?
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封筒の問題1と同じく、「交換する」が得だとしたら、交換した後に、再度「もう1回変えてもいいですよ」と言われたらどうしましょう?
もう1回封筒を交換した方が得でしょうか?
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答えは決まりましたか?
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悔いはないですか?
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2倍になるかもしれませんよ?
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ファイナルアンサー?
=
封筒の問題2-答え-
正解は、「交換してもしなくても、同じ(期待値は一緒)」です。
「交換した方が得」「交換しない方が得」、どちらもハズレなので、ちょっとヒッカケのいやらしい問題でした。
なお、問題1と同じように考えてしまうと、「交換した方が得」と思ってしまいますね。
しかし、今回の問題は、どちらの金額も確定しておらず、「どちらかが2倍」という状態です。
つまり、「どちらかの封筒に2倍券が入っている」と思えば、その確率はどちらも2分の1。
交換しても、交換しなくても、損も得もない、50%の運勝負です。
まとめ
全く同じような問題なのに、「封筒を開けて中身を見たかどうか」で、「交換した方が得」「交換してもしなくても変わらない」と、答えが変化する、とても面白い問題でした。
数字使った頭の体操は、楽しいですね!
それでは!また!