今回は、エンゼル教育研究所の令和3年度課題図書の「教えない指導」から3つトピックを紹介しながら、幼児教育について考えてみましょう。
主な内容は小学校の先生向けの図書ですが、幼児教育・教職員の職場の人間関係にも活かせる内容になっています。
良い質問とは?
本書の最大のテーマは、「良い質問」です。
たとえば、遅刻した子どもに対し
「なんで忘れ物をしたの?」
というのは、過去を責める質問であり、返ってくる内容はどうしても言い訳のような内容になってしまいますね。
対して、
「どうすれば忘れ物がなくなるかな?」
と問いかけると、発想が未来的になり、課題の解決へと繋がっていきます。
更に発展させると
「うちの子はあなたより忘れ物をしやすいんだけど、あなたならどんなアドバイスをしてあげる?」
と問いかけると、「自分の為」ではなく、「他人の為」の客観的なアドバイスがどんどんと出てくることでしょう。
悪い質問は、答えは限定され、子どもは委縮し、想像力を失い、やる気を失ってしまいます。
冒頭の尋問や、誘導質問、質問に見せかけた命令質問などですね。
対して、良い質問は、思考が前向きに回転し、自分で決定し、行動に繋がる質問です。子ども自身が次の問いを思いついたりもします。
子どもにも、職場の同僚にも、良い質問を心がけたいですね。
良い質問の3つのルール
良い質問には3つのルールがあります。
それが以下の3つです。
- 出てきた答えはすべて正解
- 「わからない」も正解
- 出てきた意見はすべて認め合う
この3つを順守することによって、答える側から多様な意見を引き出すことができます。
どんな質問であっても、答える側というのは緊張するものです。
しかし、どのような答えであっても認めてもらえる雰囲気があれば、安心して答えることができます。
これが心理的安全性と呼ばれるものです。
この心理的安全性は、世界的トップ企業Googleもチームビルディングにおいて最重要視しています。
なぜなら、Googleの様々な研究によって「生産性の高いチーム」の共通項において「心理的安全性が高い」ということが明らかになったからです。
「効果的なチームとは何か」を知るの研究結果がGoogle公式HPに記載がありますので、時間があるときにぜひ読んでみてください。
この心理的安全性は一朝一夕で築けるものではありません。
3つのルールを確実に・長期的に守り続けることによって成り立つものです。
心理的安全性の高いクラス運営・職場づくりをしていきましょう。
何を見るか
左と右の絵、どちらが気になりますか?
多くの人は、右の方が気になりますよね。
私もそうです。
人は違和感や欠けたものに意識がいきがちですね。
人間は、「楽しい」「嬉しい」「気持ち良い」といった「快」の感情よりも、「不愉快」「気持ち悪い」「居心地が悪い」といった「不快」の感情の方が強く反応するようにできているそうです。生物の生存戦略上仕方なかったのでしょうね。
幼児や職場の人間関係においてはどうでしょうか。
同じく「違和感」「欠けたもの」に意識がいきがちですね。
前述の通り、人間である以上、仕方のないことかもしれません。
しかし、だからこそ、意識して、「良いところ」を見つけていきましょう。
クラスの子ども1人1人の良いところ。
職場の仲間の1人1人の良いところ。
意識して見つけていけば必ずありますね。
その1人1人の輝く個性が発揮できる環境が、ダイバーシティであり、インクルーシブだと言えましょう。
まとめ
今回は、エンゼル教育研究所の令和3年度課題図書の「教えない指導」から3つトピックを紹介しながら、幼児教育や職場の人間関係について考えてみました。
良い質問の例示や、クラス活動でのグループワークなども多様に紹介されています。
ぜひ手に取ってみてください